2005年にオランダで結成されたシンフォニック・ゴシック・メタルバンドの4th.。宇宙の奥底をのぞきこむような漆黒のゴシック世界ではなく、オープンなシンフォニック色も手伝ってサントラ要素が強いアルバム。極彩色の闇とでも言うべき、華やかで儚く悲しい物語がリリカルに繰り広げられる。闇の果てからとてつもないエネルギーが噴き出しているようなパワフルなサウンドは心地いい。こういう力強いオーケストレーションと悲哀の融合は魅力的で心躍る。情感に訴えかけてくる美旋律の層が無数に重なって、ひとつひとつの音が幻想的に共鳴している。低く美しい声からオペラティックな迫力のハイトーンまで、聴き惚れてしまうボーカリングは、感情表現豊かで申し分ない。ひたすら繰り返し聴いていたいカタルシスなゴシックアルバム。
2014.07.30
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