February 2015

STREAM OF PASSION『A WAR OF OUR OWN』

_SL1417_2005年にオランダで結成されたシンフォニック・ゴシック・メタルバンドの4th.。宇宙の奥底をのぞきこむような漆黒のゴシック世界ではなく、オープンなシンフォニック色も手伝ってサントラ要素が強いアルバム。極彩色の闇とでも言うべき、華やかで儚く悲しい物語がリリカルに繰り広げられる。闇の果てからとてつもないエネルギーが噴き出しているようなパワフルなサウンドは心地いい。こういう力強いオーケストレーションと悲哀の融合は魅力的で心躍る。情感に訴えかけてくる美旋律の層が無数に重なって、ひとつひとつの音が幻想的に共鳴している。低く美しい声からオペラティックな迫力のハイトーンまで、聴き惚れてしまうボーカリングは、感情表現豊かで申し分ない。ひたすら繰り返し聴いていたいカタルシスなゴシックアルバム。
2014.07.30
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DERDIAN『HUMAN RESET』

derdian-human_reset_front_cover1998年にイタリアで結成されたメロディック・メタルバンドの5th.。2013年に発表した4作目『LIMBO』のボーナストラックには『聖闘士星矢』のOP曲を収録して話題になった(vo.は何とMINSTRELIXのVo.Leo Figaro)。そして今作になるわけだが、初期のシンフォニックでメロスピかつゴシックなダイナミックさはやや薄れ、それぞれの要素を内包しつつニュートラルなメロディアス・メタルに着地している。ニュートラルという言い方が誤解を招きそうだが、角がとれてつまらない音になったわけではない。外へ外へと面積を広げていくのではなく、内側に向けて高濃度に圧縮された超ハイブリッドなメタルサウンドが実現している。心拍数の上がるスリリンクで大胆な転調や、シンフォニックな臨場感や高揚感、重厚サウンドは健在。チェンバロやネオアコ、哀愁の香りが隠し味で上手く効いているのも、丁寧で繊細なアレンジの証だろう。聴くほどに熟成していくアルバム。安心して幻想異世界の音色に身をゆだねられる。
2014.07.23
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ギャラリー
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • AMBERIAN DAWN『Magic Forest』
  • VICTORIUS『DREAMCHASER』
  • STREAM OF PASSION『A WAR OF OUR OWN』
  • DERDIAN『HUMAN RESET』