courage my love『Becoming』『For Now』

orig-21303331687224_1_f2008年にカナダで結成されたエモバンドの2nd.。Vo/GとDs/Voが双子の姉妹、そこにベースを加えた3ピース。「Warped Tour2011」に出演し、コンテストではファイナルに残り、デビューEP『For Now』をリリースすると多くのメディアで取り上げられた。女性ツインボーカルのパワーとハーモニーは、突き抜ける爽快感と陰りのある闇部分が同居していて不思議な魅力だ。明るくはっちゃけたパーティーソングとは違い、ドラマティックな奥行きのあるオトナのボーカリング。サウンドもキラキラのメロコアというより、シーンの演出や複雑な感情表現を重視した音作りになっている。彼女たちの素晴らしいところは、陰りの部分をさし色として使っている点。強く出しすぎず、完全な隠し味にもせず、ほどよく主張させる。だから何も考えずドライブのBGMにもできるし、じっくりヘビーローテーションで聴いても飽きない深みがある。チカラとスピードで押しきることなく起伏を活かして、時にはアンプラグドな音で心に浸透させるテクは見事。1st.EP『For Now』と、メジャーリリースの2nd.EP『Becoming』を連続でずっと聴いていたい。
2014.04.12/2012.02.21
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CONDITIONS『FULL OF WAR』

Conditionsヴァージニア州リッチモンド出身のスクリーモバンドの2nd.。前作はハードコアでかなり激しくスクリーミングしていたが、今回は SAOSIN を思わせるエモ全開のスクリーモへシフト。AOR調のナンバーもあり、こんな繊細な楽曲も作れたのかと驚くほどだ。激しいギターワークは優しいエモメロになり、ほどよく歪みながら心地よく風のように流れていく。少しハスキーで倍音の強いボーカルは、憂いを含んで緩急をうまくつけながら美しい旋律を駆け抜ける。スネアの音がクリアーかつシンプルにリズムを刻む。無理に手数を増やしたり、変則的なリズムの取り方をしないので、聴く方もごく自然に身体が動く。こう書くとゆるゆるな軟弱サウンドに堕ちたかと誤解するファンがいるといけないので念を押すが、緊張感のあるタイトな楽曲群ばかりで十分攻撃的だ。どちらかと言えば筆者は今作が好み。Heatseekersチャート13位。
2013.03.26
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courage my love『for now』

CourageMyLove2008年に結成されたカナダ・オンタリオ州出身のメロコアバンドのデビューEP(日本版はボーナストラックが多数追収録されたフルアルバム仕様)。ボーカル/ギターと、ドラム/ギターは双子の姉妹で、当然声質も似ているので、ユニゾンやハーモニーが実に綺麗にハマっている。追っかけメロや掛け合いのボーカルなど何をやっても上手いし、自由に伸び伸びと伝わってくる。エッジの立ったベースラインが明瞭に前に出て、ジャリジャリのギターの感触も心地いい。メロディアスで疾走感もある。メリハリの効いたラウドな曲構成はデビュー作とは思えないほどこなれている。特に一曲の流れの中で、押しと引きのバランスが絶妙。めいいっぱいはじけているのに、リリカルでちょっぴりエモい演出が良い隠し味になっている。うっかりするとPOPで美メロなパーティーソングという枠にはめられてしまいそうだが、まったく青っぽさがないし重心を低く構えている。とにかく音数も多いし綿密に作り込まれている。とんでもない新人の登場だ。
2012.02.21 
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THE CLASSIC CRIME『PHOENIX』

Classic_Crime32004年にアメリカ・シアトルで結成されたクリスチャンバンドの4th.。常に全米クリスチャンチャート上位をキープする人気バンド。はかなげで悲痛な叫びとともにメランコリックなサウンドを展開していく。彼らの特徴は、その激しさと悲哀の魅惑的なアンサンブル。緊張感のある張りつめたメロディーが、映画のサントラのようにドラマ性豊かに湧き上がる。アグレッシヴなハードナンバーからエモ、果てはアコギだけでカントリーバラードという楽曲まで、いったいどれだけバリエーションがあるのかと感心するほど景色が目まぐるしく変わっていく。そのどれもが THE CLASSIC CRIME ワールドに染め上げられていて心地いい。モグラたたきをしているみたいに、予測不可能な場所からハイセンスなメロディーが顔を出す。根底にあるのは底知れない深い悲しみ。できるだけ楽器の音数を減らしてシンプルな作りをしているのに、実に表情豊で厚みのある音に仕上げているのは見事! 
2012.08.14 
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CELESTY『VENDETTA』

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フィンランドで1998年に結成されたメロディック・パワー・メタルバンドの4th.。メロパワというよりシンフォニック色がかなり濃い。荘厳でパワフルな正統派劇メロは、安定感があり、飽きさせない旋律と展開をこれでもかと見せつけている。メロディーセンスや楽曲構成、疾走感、転調など文句のつけようがない。ハイトーンというよりパワーボーカルに美旋律がからみ、変化と加速をくりかえしながら、耽美で彩り鮮やかな世界を次々と描写していく。広大な大地から鳴り響く重厚サウンドの一方で、どこかはかなげで繊細な風が遥か上空を通り過ぎていく。力強いのに感傷的な気持ちになってしまう。最強戦士の闘いには、常に悲しみがまとわりついているというわけか。残念なことに次のアルバムを制作中の2012年に無期限の活動停止を発表している。CELESTYよ永遠なれ! 
2009.03.25
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CONDITIONS『FLUORESCENT YOUTH』

twi2アメリカ、ヴァージニア州リッチモンド出身のスクリーモバンドの1st.。SAOSIN、SECRET & WHISPER らと同じく、せつない美メロにハイトーンボーカルでスクリーミングするタイプ。重低音がズドーンと巨大な波動となって響くハードコアサウンドが中核を成している。攻撃的で破壊力満点のダイナミックな楽曲に胸が高鳴る。そのためか氷のように冷たいハイトーンの叫びが、より生々しく大迫力で飛び込んでくる。厚みのある美しいコーラスもゾクゾクするほど魅力的。鋭いナイフが光を反射して輝いているようなギターのカウンターメロディーが濃密度の空気を切り裂く。ガラス張りの高層ビルに無数の銃弾をぶち込んでいるシーンをスーパースロー再生しているようなシーンが頭の中に浮かぶ。危険すぎる美しさに時を忘れてうっとりしてしまう。ストリングスを生かしたエモバラードは魂が天界にゆっくり昇っていく神聖なレクイエム。これはあまりにも美しい破滅と再生のデビューアルバムだ。
2010.09.13 リリース
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THE CLASSIC CRIME『VAGABONDS』

twi22004年にアメリカ・シアトルで結成されたクリスチャンバンドの3rd.。全米クリスチャンチャート6位を記録。心地よく弾みの効かせた極上のメロコア・ナンバーはライヴ映えするものばかり。美しいスクリーミングも軽快にドライブしている。ズシっと骨のあるサウンドは、明確に緩急をつけてONとOFFを頻繁にスイッチしているのも飽きない点。激しく空気を切り裂いたかと思うと、しっとり憂いのあるメロディーでしっとり雨を降らせたりもする。ベースをぐんと前に出して力強くクレッシェンドしていくエモ曲や、シンフォニックな濃厚ストリングスをフィーチャーした曲など、つぎは何が出てくるのかとつい期待してしまう引き出しが多い。心憎い楽曲構成と幅の広さは圧巻。とにかくよく練りこまれたワザありの心に突き刺さるアルバム。
2010.04.06 リリース
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Cadillac Fun Drivers『Cadillac Fun Drivers』

twi22009年にデビューしたイタリアの3ピース・メロコアバンド。プロデュースしたのは、同じくイタリア・メロコアシーンの重鎮、VANILLA SKY。女性ベースVo.のシルビアの巻き舌ハイトーンボーカルは、としても新鮮。イタリアのパンクシーンの波が日本にドカンと押し寄せることはあまりないので、なおさらそう思うのかもしれないが、アメリカやイギリスのパンクシーンにはない新しい空気感。シンセを使ったウェットな仕上がりなのに、流行りのエレクトロ臭さはあまりなく、天然なダンサプル都会的ポップパンクになっている。マイケル・センベロの「マニアック」(80年代に大ブームとなった映画『フラッシュダンス』の挿入歌)をカバーしているのだが、これが見事にハマりまくりで痛快! ピアノをフィーチャーした熱く美しいエモバラードから、装飾満載のキラキラポップまで、アナログとデジタルの二刀流は実に興味深い。だって、これらが1枚のアルバムに自然と調和しているのだから、やっぱり黄金比のバランスなんだろうなあ。パワフルなのに、やわらかい鳥の羽根に触れているような感覚と、万華鏡のアナログチックな幻想美が広がる不思議なデビュー作。
2009.10.21 リリース
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CAIN'S OFFERING『GATHER THE FAITHFUL』

twi22007年夏、SONATA ARCTICA を脱退したヤニ・リマタイネン(G)が、STRATOVARIUS のVo.ティモ・コティペルトらと結成したメロディック・パワー・メタルバンドのデビュー作。シンフォニックで壮大なドラマ展開と、初期の SONATA ARCTICA を思わせる美旋律、スケール感がたまらない。めまぐるしい転調や変調子などに頼らず、優雅で気品さえ漂う巨大幻想空間を作り出している。重低音の音質もやわらかく温もりのある広がりを見せ、表現豊かな弦楽隊を使い、よりドラマ性・ストーリー性のあるサウンドに仕上げている。ティモのねばり気のあるハイトーンボーカルが、オーケストレーションに絶妙にからみつく。DRAGONFORCE ばりのスピーディーな楽曲から映画のクライマックスを想起させるパワーバラードまで、リスナーの心をしっかりとらえて離さない。緊張感を持ってラストまで激走できる快感と感動の連続。ついに歴史的第1章が幕を開けた。
2009.07.22 リリース
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CHEMICAL VOCATION『A Misfit In Progress』

twi2スウェーデン出身の5人組メロコアバンドのデビューアルバム(現地では2008年のリリース)。「TASTE OF CHAOS 2008」のスウェーデン公演に出演し、STORY OF THE YEAR や ATREYU らと共演している。このアルバムでメタリックなスクリーモから脱し、スピードに乗ったメロディック・エモへと大きくシフトしているが、言われてみればケイオスに出演してもおかしくないくらいのエネルギッシュなハードコア・サウンドは健在だ。北欧独特の哀メロというより、アグレッシヴでハードなメロコアに、エッセンスとして哀愁漂うメロディーラインが練りこまれた印象。何よりうなりをあげて爆走する疾走感が強烈で、そこにやや古臭いロックのテイストがよくマッチしている。美しい破壊者となってスクリーミングするメタリックな重厚さと、キラキラと光を放つ鋭角的な音の洪水に酔いしれる。ザラついたギターの感触や、プレスのほとんどない歌メロ、攻撃的なコーラス、暴れまくるドラミング、時折ハッとするようなロマンティックなオブリガートが入ってくる。何という絶妙なバランスなんだ。すべてがキャッチーでドロ臭くなくオシャレで心を揺さぶられる。
2009.05.20 リリース
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CINDER ROAD『SUPERHUMAN』

twi2アメリカ・メリーランド州出身の4人組ハードロックバンドの日本デビュー盤。PLUNGE というバンド名で10年以上も活動してきたのでベテランの域。典型的な80年代アメリカン・ハードロックだが、今聴いてもまったく古臭く感じない。キャッチーで牧歌的(というか、底抜けにピュアなHRの中心点を表現)なのに、吹いてくる風は新鮮なのだ。イメージの中の景色は、20数年前の都会的なアメリカで、すごく乾いた風が吹いているのに、実に鮮やかでエッジーなサウンド。リフで退屈させない巧妙なアレンジと、オブリガードを短めにしているのが勝因。もし日本語ならきっとB'zの新曲だと思ってしまいそう。J-POPの根っこが80年代のアメリカン・ロックのメロディーやアレンジに強く影響を受けているからそう感じるのかもしれないが、実に日本的なヒット曲独特の香りもプンプンする。どこを切り取ってもチャートアクションにつながりそうなキャッチーな曲になっている。ピアノをフィーチャーしたバラードなど、耳によくなじむ。若者から40歳前後までのロックファンに十分受け入れられる器のアルバム。
2008.11.26 リリース 
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CRUISERWEIGHT『BIG BOLD LETTERS』

twi2アメリカ・テキサス州出身の4人組メロコアバンドの2nd.。ベース以外は兄弟というメンバー構成。THE GET UP KIDS や THE ALKALINE TRIO らとツアーをし、2005年にデビューアルバムをリリースしている。この2作目は、いきなりアコギでしっとりと始まるが、以降は実にポップでノリのいいノスタルジックなパンクが展開していく。女性ボーカルであるステラのパワフルでぶっ飛んだ歌声が楽曲をリードする。特にスタッカートで歌メロをプツプツっと切る歌い方が特徴。そこに自身のコーラスが重なってくる。単語がひとつひとつ単体でリスナーの脳を直撃する。そのせいかエッジの立った音になって、やたら歯切れが良く、軽快でダンサブルな味付けになっている。バカみたいに能天気なパンクではなく、60年代~70年代の古き良きロックサウンドを強く前に出しているので、飾りっけのない素朴な原色サウンドトーンが包み込む。オブリやカウンターメロディーのギターや、ぺースラインは郷愁を誘う美しさだ。ここまで徹底して原始的なルーツロックをミクスチャーしたバンドも珍しい。
2008.10.07 リリース
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THE CLASSIC CRIME『THE SILVER CORD』

twi2アメリカのシアトル出身の5人組クリスチャン・バンドの2nd.。スクリームでモダンヘヴィネスな色が濃いアルバム。どこか懐かしいロックサウンドにスピードとスクリームを加え、キャッチーでメロディアスなフレーズをガンガンに打ちこんでくる。伸びのあるボーカルは、どんなにスクリーミングしてもつぶれた声にならい分、抒情的な色ツヤも表現している。重心が低く腰が入った肉厚サウンドなのに、軽快に力強くクレッシェンドしていくスムーズさは圧巻。スピードに乗ったハードコアかと思ったら、急にブレーキングしてタメをつくってゆったり流してみる。エモ・バラードで始まり、サビで一気にパワフルに歌い上げたかと思うと、重々しいダークなトーンで闇を作ってみる。ピアノをフィーチャーリングしたりウエットな音色を差し込んでみたりと、とにかく飽きさせない。こういうセンスが良くて引出しの多い実力派バンドは、なかなかいない。最高のカタルシスと幻想空間とスリルな時間が詰まった魅惑のアルバム。
2008.07.28 リリース
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THE CAB『WHISPER WAR』

twi2FALL OUT BOY の PETE が運営する DECAYDANCE RECORDS に所属するラスベガス出身の5人組。ピアノをフィーチャーした軽快なエモパンク。とにかくピアノがはじけまくりで、ダンスチューンやジャジーなテイストをも取り入れた実に多彩で華やかなピアノ。このカウンターメロディーの効果は、楽曲のカラーを決定するほど絶大で、せつなくエモいメロにもかかわらず、ダンサブルとも言えるバウンスな曲を形成している。このジャンルレスな世界観と、ダイブやモッシュではなく、みんなハンドクラップしながらダンスしたくなる底抜けに明るい歌空間は秀逸。ウェットな音づくりだが、ピアノやアコギの生っぽいツヤや、深みのあるスネア、美しく疾走するベースラインをはじめ、パーカッションやストリングスなどカラフルでにぎやかなサウンドプロダクトは他バンドにない魅力。さらにスケールの壮大なバラードまでガッツリ聴かせる密度の濃いデビューアルバム。
2008.04.29 リリース
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CRASH ROMEO『GAVE ME THE CLAP』

twi22004年ニュージャージで結成された4人組の2nd.。ライヴではっちゃけるには最高のノリまくりメロディックパンクのオンパレード。シンガロングしやすく、覚えやすいフレーズを何度もリピートしつつ、メリハリのつけた構成は、まったく飽きがこない。腰の入ったベース(これでもかというくらい前に出したトラックダウン!)やバスドラの重低音サウンドがうねるように迫ってくる。それはカウンターメロディーのギターにもよく表れていて、この手の楽曲にありがちなやたらキラキラしたギターではなく、ずしっと重みのあるハードエッジなギターが、ガツンガツンと脳を直撃する。骨太なだけでなく、時折キーボードが色を添え、パワフルで厚みのある重量級メロコアにメイクアップされている。さらに熱く伸びのあるボーカルが、エネルギッシュでスピード感のあるパンクへとズドーンと押し上げている。そして、ストリングスを活かしたエモバラードが入ってくるところは心憎い。うますぎる展開。
2008.03.28 リリース
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CITY SLEEPS『NOT AN ANGEL』

twi2The Used や Good Charlotte、Atreyu などを手がけるプロデューサー JOHN FELDMAN が発掘したアトランタ出身の5人組メロコアバンド。すこしスモーキーなハイトーンボーカルでせつないメロを歌う。さらにスクリーミング付き。疾走感のあるハードポップなナンバーあり、重低音をひきずりながらのミディアムナンバーや、ストリングを活かしたパワーバラードがあったり、時には歌謡曲チックな雰囲気がただよう。そんな間口の広い、どこか不思議な雰囲気のするデビューアルバム。特に80年代初期を意識しているわけではないのだろうけど、どこか懐かしいポップな風が吹く。スネアの深さや、ウェットなオブリのリフ、ハネるようなメロ、Vo.のリバーブ感など、タイトなパンクとは対極にある。もちろんプラスとマイナスの電極で反応が起こるように、メロコアでありながら80年代ロックという化学反応を楽しめる。
2007.10.30 リリース
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CLASSIC CASE『LOSING AT LIFE』

twi2GLASSJAW のメンバーや解散してしまった BE LOVED の元ギターも在籍する エモ/オルタナ/パンクバンドの2nd.。病んだようなエモーショナルなサウンドにオルタナティヴな破壊的テイストを加え、全体をせつなく物悲しい感情でコーティングした楽曲。隠し味はゴシックな世界。美と汚、清と濁が同在することで、強烈かつタイトに反応している。緊迫した悲しみが音を支配する。スピードに乗ってガンガン疾走するわけでもなく、美メロ全開でもないし、かといって激しくスクリーミングしているわけでもない。なんとも不思議な空間をつくりだしている。もちろんその異質さが気持ちいい。前作より異質感は強くなったかもしれない。これが彼らの真髄なら、どこまで一般リスナーをひきつれたままエキセントリックな世界を突き進むことができるかが見もの。
2007.02.20 リリース
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Cellador『ENTER DECEPTION』

twi2早くも DRAGONFORCE の影響を強く受けたメロスピなメタルバンドが登場した。2004年、アメリカのネブラスカ州オマハにてギタリストの Chris Petersen によって結成された Cellador(セラドール)。ブラストしまくりのドラムに、アクロバティックかつテクニカルな速弾きが印象的。ツイン・ギター・ハーモニーも板についている。こういうバンドが、北欧でもなく、中央ヨーロッパでもなく、ブラジルでもなく、スラッシュメタルの国・アメリカから誕生したのは、新しいアメリカン・メタルの伝説が始まろうとしているのかもしれない。DRAGONFORCE の領域には至っていないものの、メロディーセンスが向上すれば、相当聴き応えのあるジェットコースター的展開のバンドになるだろう。ちなみに、ジャケのアートワークは、EDGUY や DRAGONFORCE を手がけた JP Fournier。
2006.07.05 リリース
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CLASSIC CASE『DRESS TO DEPRESS』

twi2憂いのある悲しいコーラスと悲哀に満ちた叙情メロ。イメージはひとつにかたまらず、春夏秋冬を描き出すように、1曲ごとに景色が変わる。尋常ではないエモいせつなさと、スクリーム的な叫びがブレンドされた激痛必至の骨太サウンド。腰のある重低音をベースに、緊張感のある悲痛なギターリフとサスペンス・テイストなドラミングが何度も曲のスイッチを切り替える。そう、ひとつの曲にたくさんの曲をつめこむように次々と転調していく。サイレンのように冷たく心臓をえぐり出す。変則的な楽曲を美旋律でコーティングして悲しみ色にカラーリングした感じ。フレーズのひとつひとつにオーラが宿っている。見知らぬ森をさまよう少年。病んだ心に湾曲した時間が少しずつしみこんでいく。やまない雨。すべてはノスタルジックで艶やかな未来のために。
2005.10.18 リリース
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CHIXDIGGIT!『Pink Razors』

Just_Surrenderカナダ出身のパンクバンド。チックスディジットと発音しにくいバンド名だが、サウンドは解かりやすいポップ寄りのメロコア。60年~80年代のクラシカルなフレージングをふんだんに取り入れ、ほとんど着飾ることなくスッピンで(かなりレトロな音色で)密度の濃いサウンドプロダクト。キャリアも十分すぎるほどの彼らだが、遊び心が洒落ていて、まるで素人がマスタリングしたような急激F.O.でいきなりアウトロが消えてしまったり、ジャケにはスリーブが入っておらず、リリックがまったくわからない。しかもジャケはかなりチープなアメリカンコミック。でもそれが逆にクール! さらにシークレット・トラックには約30分間にもわたるメンバーのトーク。輸入盤で隠しトラックということもあり、何をしゃべっているのか不明だが、多分どうでもいいことだと思う。そんなふざけた彼らなのにビックリするほどキャッチーでセンスのいい楽曲ばかり。基本をビシッと押さえた、捨て曲ゼロの完璧なノスタルジック・パンクワールドを展開。
2005.04.19 リリース
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ギャラリー
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • AMBERIAN DAWN『Magic Forest』
  • VICTORIUS『DREAMCHASER』
  • STREAM OF PASSION『A WAR OF OUR OWN』
  • DERDIAN『HUMAN RESET』