1998年にイタリアで結成されたメロディック・メタルバンドの5th.。2013年に発表した4作目『LIMBO』のボーナストラックには『聖闘士星矢』のOP曲を収録して話題になった(vo.は何とMINSTRELIXのVo.Leo Figaro)。そして今作になるわけだが、初期のシンフォニックでメロスピかつゴシックなダイナミックさはやや薄れ、それぞれの要素を内包しつつニュートラルなメロディアス・メタルに着地している。ニュートラルという言い方が誤解を招きそうだが、角がとれてつまらない音になったわけではない。外へ外へと面積を広げていくのではなく、内側に向けて高濃度に圧縮された超ハイブリッドなメタルサウンドが実現している。心拍数の上がるスリリンクで大胆な転調や、シンフォニックな臨場感や高揚感、重厚サウンドは健在。チェンバロやネオアコ、哀愁の香りが隠し味で上手く効いているのも、丁寧で繊細なアレンジの証だろう。聴くほどに熟成していくアルバム。安心して幻想異世界の音色に身をゆだねられる。
2014.07.23
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