FOREVER THE SICKEST KIDS『J.A.C.K.』

6232006年、ダラスにて結成されたメロコアバンドの3rd.。レーベルを移籍してのリリースだが、純真無垢なストレートメロコア路線にブレはまったくなく、センスのいい軽快で爽やかなメロディーラインは健在。それでいて浮ついたところは全くなく、中低域の密度は十分満足できる。頻繁に繰り返されるストップ& ゴーや、ツボを押さえたバリエーション豊富な曲展開には脱帽するしかない。ジャケからイメージできるようにクラシカルなレトロ感漂うテイストで、古き良き牧歌的ロックがはじけ踊る。スピードでガンガン押してくるわけでもなく、ラウドにシャウトしまくるわけでもない。郷愁感に自然と満たされて、ピュアパンクが心地よく響く感覚なのだ。都会の喧噪に疲れ、メンタルケアとエネルギーを注入したいのなら、こういう原点回帰なロックはぴったりかも。
2013.06.25
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FLYLEAF『NEW HORIZONS』

Flyleaf5アメリカ・テキサス州で2000年に結成されたクリスチャン・ゴシックバンドの3rd.。今回も重鎮ハワード・ベンソンがプロデュースしている。FLYLEAF節をこれでもかと展開させ、ゴシック/モダンヘヴィネスの海を自由に泳いでいる。倍音の強いボーカリングは、天使のハイトーンと暗黒の重々しさをかねそなえて艶っぽく魅力的だ。クリスチャンバンドの特徴でもあるが、毒々しいゴシックではなく、退廃した世界に光が射すような希望とパワフルな楽曲が印象的。荘厳で美しくも悲しげなフレーズが織りなす楽曲は、精神の奥底から不思議な力が湧き出るような気さえする。そんな不思議な力の創出と、優しく癒してくれる慈悲や浄化が混在した神聖なサウンドと言える。楽曲じたいはアグレッシヴなのに、どこかあたたかく包まれて安心できる。そんな妙な感覚こそがFLYLEAFの神髄なのだろう。
2012.10.30
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FIREFLIGHT『NOW』

twi2フロリダ出身。男3人+女2人という構成で1999年に結成されたクリスチャンバンドの4枚目。パワフルなゴス/モダンヘヴィネスからカントリーバラードまで多彩なカードを次々と見せてくれる。楽曲の幅広さもそうだが、歯切れがよくタイトでメリハリがよく効いた構成は、まったく飽きさせない展開でドンドンのめりこんでいける。迫力のある重低音を心地よく響かせながら、鋭いハイトーンのスクリーミングで切り裂いてくるあたりは、思わずうっとりしてしまう。どこかエキセントリックな異次元世界をさまよう感覚。心地いいスリリングで攻撃的な旋律と、はかなげで悲しみをためこんだ美しい旋律が交錯する。なんという快感だ。ずっとヘビロテしていると現実世界に戻ってこれない危うさすらある。
2012.03.13
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FATE『Ghosts From The Past』

twi2デンマークにて1984年に結成されたハードロック・バンドの6枚目。1993年に活動を停止したが、2005年にドイツでのフェスに参加したことがきっかけで再結成を果たした。80年代北欧メタルの風が爽快に吹き抜けていく。華やかなアレンジで歌メロはもちろんギターやシンセも美を追求し、ねばりと腰のあるVo.が心地いい。全盛期の EUROPE や VAN HALEN が現在にトリップしてきたらこういう音楽を作るだろうという典型なダイナミックさと様式美がスパークする。懐古的な色が強すぎて時代にマッチしないなんてことが起こっても不思議ではないのに、ものすごく恰好よく聞こえる。重量感のある華やかさとでも言うのか、音の詰め方、メリハリ、飽きのこないアレンジ、そして垢抜けた感がある。そんなに引っ張らなくてもいいのにとか、しつこいリフはやめてよとか、そこに別の音を重ねたらもっと良くなるのにと思える点を全て完璧に克服して磨きこまれている。
2011.11.28 リリース
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FOREVER THE SICKEST KIDS『FOREVER THE SICKEST KIDS』

twi22006年、ダラスにて結成されたメロコアバンド。2枚目にしてセルフタイトルのアルバム。2008年のデビューアルバム『UNDERDOG ALMA MATER』が話題になり、ツアーも成功しているだけに、2nd.は勝負どころとなる。その意気込みがセルフタイトルなのかもしれない。結果からすると、よりメロディアスで疾走感もあり、極上のメロコア胞子を大量に放散してくれている。90年代テイストの素朴なパンクサウンドではあるが、流行のエレクトロなども軽く取り入れつつ、やんちゃな暴れっぷり。もちろん覚えやすくシンガロング必至のメロはセンスが良く、ハンドクラップも効果的。スネアやキック、ベースがしっかり前に出て、チャラった音になるのをうまく回避している。それどころかバンドサウンドに迫力というかすご味が増して、かなりの聴きごたえ。メロが青春系どストレートなだけに、重心の低いサウンドはうれしい。結局こういうサウンドが一番色あせず、どんな時代でもキラキラと魅力的に輝くのだろう。
2011.03.02 リリース 
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FOXY SHAZAM『FOXY SHAZAM』

twi22004年にアメリカ・オハイオ州で結成されたエクスペリメンタル・ロックバンドの3枚目(これがメジャーデビュー作)。CDショップでほんの気まぐれでこのアルバムを試聴した。なにせ店頭ポップに「変態」という文字がクッキリ強調されて書かれていたし、いけてないジャケ(笑)で、バンド名とアルバムタイトルもよく分からなかった(FOXYがバンド名でSHAZAMがタイトルだと思ったくらいだ)。パンクロックのしかもエモ系のコーナーに置いているあるので、店員が間違えたのかと思った。でもプレイボタンを押すと、すぐに魂をゆさぶられた。チープな表現になってしまうが、本当にとりこになってしまった。確かに変態と言えば変態だ。予測不可能な展開で基本的に実験的なパーティーソングで、ピアノロック+エモ+ホーン+ハードコアが入り乱れるカオス状態にもかかわらず、ものすごく高いクオリティーで音楽がビシっと整列している。そう、一歩間違えると破たんしてしまいそうなごちゃ混ぜなのだが、美しいまでに秩序ある整列をしていて、聴いていて気持ちいい。えっ、そんなものまで入れるの? というミックスジュースを出されて飲んでみるとクセになったというパターンだ。メロディーセンスもいいし、変態的展開をしているが、リズムが変速的ではなくすごく素直に刻まれているので、ついつい体が動いてしまう。まさに未知の突然変異的パーティーソングの新星。
2010.04.20 リリース
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FIREFLIGHT『FOR THOSE WHO WAIT』

twi21999年に結成されたフロリダ出身のクリスチャン・ゴシックバンドの3枚目。張り詰めたパワフルなボーカルに、壮大なシンフォニック・ゴシックが地底からせり上がってくるような力強い楽曲。ドドッドドッと響く重低音は楽曲全体の重心を低くして強大な迫力を生む。アドレナリンを大放出させるドラミングや、うねるようなペース、どんな岩盤でも砕いてしまいそうなギターの音色が、強烈な存在感で空間を支配する。重厚で精密な構築美のおかげで、息苦しいイメージはなく、むしろこの重々しさが快感。一度聴くと頭から離れないメロディーラインはキャッチーで印象的。病んでエキセントリックな世界へと沈み込む展開にはならずに、サントラ的でメジャーなゴシック音楽が燃え上がる。神聖なピアノバラードという展開も心憎い。そして何と言っても、EVANESCENCE や NIGHTWISH、WITHIN TEMPTATION などに匹敵する天空を貫く神秘的オーラをまとったボーカルの力が大きい。ミッドテンポでじわじわと神経の奥まで侵食していく荘厳な楽曲軍に圧倒されっぱなし。
2010.02.13 リリース
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FLYLEAF『MEMENTO MORI』

twi22000年にテキサス州で結成されたクリスチャン・ゴシックバンドの2nd.。2005 年のデビュー・アルバム『FLYLEAF』は120万枚をセールスし、「I'm So Sick」が映画『バイオハザードII アポカリプス』のサントラに起用されるなど大成功を収めた。今作もプロデューサーにハワード・ベンソンを迎え、ゴシックでモダンヘヴィネスな世界を展開している。愁いのある抒情的なLACEY の声は、少女だったり、気丈な大人の声だったり、名女優のように表情豊かだ。内臓をえぐられるような重低音に華やかさを加味したスリリングでドラマテッィクな楽曲に圧倒される。EVANESCENCE とツアーした経験もあるようだが、EVANESCENCE をよりシアトリカルに演出したようなサウンドにドキドキする。映画やドラマの演出と、演劇の舞台演出の差に近いかも。身ぶり手ぶりからセリフの言い方まで、すべての表現が大きい。そんな大げさな振り下ろし方こそ FLYLEAF の生命なのだ。
2009.11.10 リリース
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THE FRIDAY NIGHT BOYS『OFF THE DEEP END』

twi2ヴァージニア州出身の4人組メロコアバンドのデビューアルバム。かなりウェットでポップ色が強いダンサブルなパンク。とにかくノリがよくシンガロング&ダイヴしまくりなナンバーが心地よい。一方でアコギやピアノを実に生っぽくフィーチャーしたエモ~い楽曲もある。間口や振り幅が大きいというより、楽曲のアイデアやメロディーそのものが奥深くて、光の当て方でどんなふうにも変化する造形美をしている。うすっぺらで単純な青春パンクとは違う芸術的深みだ。常に光を反射してキラキラと輝くパーカッシヴなサウンドと、力みのない流れるような美しいボーカルは爽快。押しと引きをきちんと考えたメリハリの利いた構成も完璧。とにかく飽きないバリエーションとメロディーセンスにうっとりしてしまう。バンド名は、BOYS LIKE GIRLS に匹敵するくらいダサいが(笑)、説得力のある実力派バンドだ。
2009.06.09 リリース
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FAIRYLAND『The Fall Of An Empire』

twi2フランスのシンフォニック・エピック・メタルバンドの2nd.。レーベルが倒産してバンドメンバーも空中分解の状況で、もう2枚目は出ないだろうと思っていたが、見事に復活。オシリア国を舞台にした正邪の闘いを描いた1st.から3年5か月ぶりに続編の物語がまたここに展開される。しかもこの壮大な物語は3部作になるという。つまり、3rd.アルバムが確約されたといってもいいだろう。物語性を重視したメタル。つまりエピック・メタルというカテゴリーは、当然のことながらオーケストレーションとよくマッチするし、ロード・オブ・ザ・リング的なスケールの大きなドラマティックなストーリーにおけるサントラ的な要素をたっぷり含んでいる。音だけで、果てしないドラマのダイナミック・イメージが頭の中で広がっていく。サウンドからビジュアルを想起させるテクニックこそ、シンフォニック・エピック・メタルの真髄。そういう意味では、FAIRYLAND 第2章は大成功だろう。ストリングスの美しさは秀逸だし、シンフォニーは重厚になりすぎていなし、強引で大げさなアレンジは避けて、チープなSEも排除している。うまく力の抜けたベテランの味付けに脱帽!
2006.08.23 リリース
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FREQUENCY『WHEN DREAM AND FATE COLLIDE』

twi2スウェーデンで1995年から1999年まで活動していた LOTHLORIEN(ロスロリアン)や、MELODRAMA のメンバーが母体となって FREQUENCY(フリークエンシー)を結成。臭メロ的な美旋律に満ちたデビューアルバム。特にギターがテクニカルで速いわけでもなく、機関銃のようなドラミングが炸裂するわけでもない。大袈裟なアレンジと目まぐるしい転調があるわけでもない。ならば何が北欧メタルとしての魅力なのか。ねばっこいボーカルに腰のある重低音+玄人受けする美メロ+80年代北欧メタル・テイスト。これこそが彼らの魅力。ただノスタルジックな音色に収まっているのではなく、スウェディッシュ・メタルの正統継承者としての品格と様式美を最現在に持ち込んで細胞分裂しまくっているサウンド。くりかえし聴くほどに薫り高く熟成されていくメロウなアルバム。
2006.06.21 リリース
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The Fully Down『Don't Get Lost In A Movement』

twi2カナダ出身のメロコアバンド。トリプルギターのハードコアでメタリックな音色に、やわらかいスクリーモが疾走しながら何度もクロスインしてくる。音をこ垂れ流さず、タイトでひきしまったフレーズを積み重ね、加速感をキープ。キラキラなサウンドなのに、重心を低くした玄人受けするドライヴ感をビシビシ乱射してくる。挑発的で超快感な音圧! ギター3本の存在感だけが前に出ているのではなく、深いスネアやゴリゴリのベースラインの迫力など絶妙なバランスで波を作って押し寄せる。なんというかっこよさ。スクリーモやハードコア、エモを通り越したあらゆるパンクシーンにおいて、貴重なポジションを踏んでいるバンド。
2006.02.22 リリース
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The Fully Down『no fate...but what we make for ourselves』

twi2カナダ・オタワ出身の6人組メロコア・バンド。メタリックなトリプルギターが特徴だが、そのギターがこれでもかと幾重にも折り重ねて、押し付けがましく重厚に鳴り響いていないところが心憎い。むしろ言われるまでギターが3人もいることを感じさせない。たしかにリズムギターが同時に別々のリズムを刻んだり、時にはアンサンブルになったりするのは、たまらなく美味しい。もちろんリードが同時に鳴っているのは痛快だ。スネアの音は、ゆるめで切り裂くようなアタック感はないが、それがかえって足元を良い具合に照らしてくれている。カナダつながりで言うなら、SIMPLE PLAM を不良にした感じか。これが1st.だから、今後どんな軌道を描いて、どこへ行くのか楽しみ。隠しトラックのインスト曲は、エクスペリメントっぽくて理解不能。
2005.12.22 リリース
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FALLING UP『DAWN ESCAPES』

twi2オレゴン州出身のクリスチャン・エモコアバンドの2nd.。パンクバンドにキーボーディストがいることは、もう珍しくなくなった。カウンターメロディーで流れていたキーボードが、いつしか主旋律へと変化し、深みのあるドラミング、叙情的なギターと絡まる。エモいと言えばそれまでだが、メリハリの効いたドラマティックなメロと緊張感のあるボーカルには、リスナーをくぎづけにする吸引力がある。美しく哀愁ただよう旋律だけでは、すぐに飽きてしまう。大切なのはバンドの世界観。彼らの内的世界からはじき出された音の粒が、リスナーの心でどれだけ共鳴しつづけるかだ。パンクバンドと書いておきながら矛盾するが、もはやジャンルレスで理屈抜きにひとつひとつの音に魅力を感じる。音霊という意味で説得力と迫力がハイエネルギーで込められている。なぜか自然と涙ぐんでしまう。1st.から急成長の力作。
2005.10.24 リリース
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fastlane『new start』

twi22003年に今のメンバーで本格活動をスタートしたUKのパンク・バンド。スラッシュメタルばりの切り刻んでくる重低音。美ボイスの中に時折スクリーミングを入れたかと思うと、突然ピアノが入ったり、美メロのオンパレードで、気持ちいい歪み系ギターが左右のトラックにバランスよく振られている。そう、まさにギターはギンギンかつ爽快に歪ませてこそ!という主義。しかもギターが走る走る(笑)。ボーカル&コーラスは、やや青臭いスピーディーな青春パンクの典型で、ブレイクも見事。Hundred Reasons、Hell Is For Heroes、InMe、Reef、Consumed、Vanilla Pod、4ft Fingers、My Awesome Compilation 等のバンドと年100本のペースでライヴを重ねてきた。2005年は、New Found Glory のオープニングアクトに抜擢。これが1st.とは、末恐ろしい。
2005.07.06 リリース
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FUNERAL for a FRIEND『HOURS』

twi22002年、サウス・ウェールズで結成された5人組。本人たちはエモを卒業と発言しているが、エモ色は濃く、せつなく芳醇な香りがぷんぷんしている。そこにハードコア・エッジな風がワイルドに貫く。失われたものを追いつづける傷心の旅は、自分の輪郭をなぞる旅でもある。誰かをキズつけなければ自分の存在を確かめられない不幸なティーンのような視線で世界を見る。ボクたちはいつも非常識という透明な膜の中で人生を踊らされている。それはいつだって秩序ある社会のふりをしているけど、だったらどうしてこんなにも生きるのが息苦しいのか誰か教えてく欲しい。FUNERAL for a FRIEND の楽曲には、そんな青い時間がぎっしり敷きつめられている。脱出するカギは、永遠にサビたまま、やさしさを拒絶している。
2005.06.08 リリース
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FALL OUT BOY『From Under The Cork Tree』

twi22001年、シカゴで結成し、2年で550本のライヴをこなすペースでファンを獲得してきた彼らの5枚目のアルバム。スクリームなコーラスの分厚い重ね方にまず圧倒。ギターの Joe Trohman がもともとメタルバンドをやっていただけあって、メロパンクにメタルの破壊的美学がうまく隠し味として活きている。特に間奏のギターソロなどはメタル色プンプン。オブリガートで曲を劇的に加速させ、登りつめたところで、ググッとスピードを落とす緩急のうまさ。スネアは、エッジをまるくして浮遊感をただよわせ、決して鋭角的に攻めてこないバランスのとり方が憎い。ザラザラでウエットなギターサウンドながら、緻密な設計図のもと演出と仕掛けを幾重にも織り込んだ曲。その表情は、悲痛な叫びとダンディーなセクシーさが両在している。さらに涙を誘う極上のバラードでやられてしまう。あまりにも魅惑的なメロウ・パンク!
2005.04.29 リリース
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FURTHER SEEMS FOREVER『HIDE NOTHING』

Just_Surrender起伏に富んだメロと転調の嵐なんてのは、よくありがちなのだが、彼らは上下運動ではなく、ひたすら昇りつめていくタイプ。それ以上加速したら、あとは崖から落ちるだけじゃないのか、と心配したくなるほどの昇り方。その狂おしく愛しいエモ・スピリッツが、閃光となってリスナーの全身を覆う。ボーカルが頻繁に脱退・加入をくりかえし、解散説も飛び出していたが、そんな噂を一蹴するに十分な内容。ドラムの音がすぐ目の前で鳴っているようで鮮やか。スネアが鋭く切り込んでくるわけじゃなく、やや丸みのある音なのに、印象的で魅力十分。ノイジーで幻想的なギターと、クリアーなイメージ、狂気と冷静さの両方をかねそなえたボーカル。リリカルでエモーショナルに曲は速度をあげていく。運命との一騎打ち。ロック魂の死守。そして、様式美。
2004.08.24 リリース
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FLOGGING MOLLY『drunken lullabies』

Guardiansアイルランドの民俗音楽とパンクが融合すると、こんなにもアグレッシヴに化学反応を起こすものかと驚く。アコーディオン、フィドル(バイオリン)、バンジョー、アコギ、それに残響音のほとんどないプリミティヴなドラミング。ソリッドギターはうしろに引っ込んで、ワイルドで素朴なボーカルが乾いたトーンで響き、コーラスが厚みを加える。そもそも民俗音楽は熱く血が騒ぐものだし、ノスタルジックで飾りっ気がないから、ザザザッとDNAをストレートに刺激する。それがパンキッシュなサウンドとなって洪水のように迫ってくるわけだから、ロック魂が揺れないわけがない。スピード全開とおもいきや、急に歩くテンポの曲が顔を出したりと、この緩急がたまらない。波のように寄せては返す哀愁の包囲。運命をにらみつけながら、生と愛を叫び続けるリリックは心に痛い。
2004.02.27 リリース
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ギャラリー
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • AMBERIAN DAWN『Magic Forest』
  • VICTORIUS『DREAMCHASER』
  • STREAM OF PASSION『A WAR OF OUR OWN』
  • DERDIAN『HUMAN RESET』