PHOENIX RISING『MmxII』

MMXII2006年スペイン・マドリッドで結成されたシンフォニック・メタルバンドの2nd.。90年代から00年代あたりの少し懐かしい香りがするシンフォニックサウンド。サントラ的な交響曲要素は確かにあるのだが、オーケストレーションとメタルが共鳴しあって壮大な空間を作り上げるところまでは至っていない。音のひとつひとつはとても洗練されているし、転調の仕方や弦やピアノの入り方、スピード感や旋律などは申し分ない。ドラミングの音圧も十分だし、ギターワークも満足のいく快感だ。民族音楽のテイストを挿入する粋な計らいがあったり、曲全体に豪華さや迫力もある。バラードもリリカルでうまい。でも何か違和感がある。そうだボーカルだ。パワフルでハイトーンなのに、いまひとつ突き抜ける鋭さに欠ける。ややルーズなボーカリングなので、スタッカート気味に歌った方が楽曲に合うかも。それにドラムが前に出過ぎて他の音をマスクしてしまっているのも残念な点(ミックスダウンの技術的レベルの話だろう)。せっかくのオーケストレーションが活かされていないアレンジにも問題ありか。プロデューサーが変われば大化けするバンドかも。
2012.07.11
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PATHFINDER『FUTURE PAST』

twi22006年にポーランドで結成されたメロディック・スピード・メタルバンドの2nd.。テクに走るだけの薄っぺらなメタルほどつまらないものはないが、全身の血液が沸騰しそうなほど壮大な物語がオーケストレーションとともに展開していく圧巻のエピック・メロスピは最高に興奮する。PATHFINDER がついにそういう聖域に足を踏み入れたかと思うと、ついニヤニヤしてしまう。いや、足を踏み入れたところが、その中心に堂々と立っている。重厚、荘厳、様式美、どんな言葉を並べても彼らの音楽を表現するには足らないくらいだ。日本人好みのメロディーに高低差の激しいサントラ的ドラマティックな構成で巨大な幻想空間を生み出している。この時空を超えた未知なる世界から一生抜け出せなくてもいいとすら思えるほどの快感だ。音楽を止めて現実世界に戻るのに決意のいるアルバム!
2012.02.22
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PYTHIA『The Serpent's Curse』

twi22008年にイギリスで結成されたゴシック/ロディック・パワー・メタルバンドの2nd.。中世イギリス音楽の人気女性コーラス隊のメンバーだったエミリーのオペラティックなボーカリングが印象的。この手のゴシックメタルは、重厚かつ荘厳な神聖な世界を固持するあまり、スピード感やアグレッシヴさが物足りなくなってしまいがちだが、メロスピばりのギターワークや激走するリズムを存分に発動している。さらにシンセ効果でシンフォニックに味付けされた豪華サウンドは、実に深みと広がりがある。北欧ではなくUK発だから成し得た表現術だろうか。いずれにしてもエミリーのボーカルだけに頼らず、ここまで完璧な巨大空中要塞のにような音楽を構築されたら、文句のつけようがない。スリリングでドラマティックなサントラ仕上げ。聴きごたえ十分なファンタジック・アルバムだ。
2012.02.22
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POWER QUEST『BLOOD ALLIANCE』

twi2DRAGONFORCE の前身バンド DRAGONHEART 時代に参加していたスティーヴ・ウィリアムズ(Key)が中心となり、2001年にイギリスで結成されたメロディック・パワー・メタル・バンド。2008年リリースの4th.「Master of Illusion」のあと、スティーヴ以外全員のメンバーが脱退。バンドは解散の危機を迎えるが、ファンからバンド存続を希望するメールが大量にスティーヴのもとに届き、メンバーを集めて、今回の5枚目のアルバムの完成に至った。今までのサウンドはメロハー路線で、テクニカルなギターやダイナミックな衝撃がやや不足していたが、今作では DRAGONFORCE 的なメロスピに古典的クサメロが融合した疾走感と深度のある重量サウンドへと進化している。じっくり聴かせるキュルキュル超絶ギターと、心地いいキーボードのアンサンブルは絶品。スピードで押しまくったと思えば、80年代テイストのクサメロを浴び全身ずぶ濡れになったあとは、メロハーの熱風にさらされるといううれしい攻撃。もちろんメロディーセンスは抜群だし、メリハリも効いていて飽きない。10年目にしてひと皮もふた皮もむけた印象。特にボートラ前の本編ラス曲が秀逸! 
2011.01.26 リリース
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PLAIN WHITE T'S『WONDERS OF THE YOUNGER』

twi21997年にアメリカ・イリノイ州で結成されたエモバンドの4枚目。彼らのエモサウンドは特殊で、純粋で素朴な民族音楽と、どうしようもないくらい悲しくせつないメロディーが懐かしいセピアトーンにブレンドされている。今がどんな時代でここがどこの国かも分からなくなるような不思議なメロディー空間に包まれる。アコギが土台となりパーカッシブなサウンドが波紋のように広がっていく。郷愁と哀愁の田園風景にひとりぽつんと立つような心地いい孤独感。モノトーンの夕陽に照らされて時間の止まった世界でこのアルバムを聴いている気分になる。これだけ不思議な世界観を作り上げているにもかかわらず、どの楽曲もみんな違う表情をしている。このバリエーションは見事と言うしかない。それにしてもこの激しく沈み込む悲哀エモは何だろう。魂が抜けそうなくらいリラックスする魔法のかかった楽曲は毒か薬か。 
2010.12.15 リリース
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PATHFINDER『Beyond The Space Beyond The Time』

twi22006年にポーランドで結成されたシンフォニックでメロスピなメタルバンド。バンド創設者がクラシック好きで、なおかつバンドのコンセフトが、DRAGONFORCE+STRATOVARIUS+SONATA ARCTICAということもあり、このデビューアルバムがリリースされる前から日本でも話題になっていた。聴いてすぐ受ける印象は、凝ったシンフォニックの土台に激テクのメロスピという宮殿が建っているという点だ。土台となる壮大なオーケストレーションが、サントラ的な神話的世界観を丁寧にパッケージしている。もちろん激しい転調や、ピロピロギターのメロスピも十分堪能できる。エピックアルバムでありながらリードトラックばかりを集めて、全曲が勝負曲状態になった感じ。ベストアルバムのきらびやかさに近い。テクニックは申し分ないし表現は過剰なくらいツボを突いている。オペラ歌手のアガタや、LABYRINTH、FIREWIND、STRATOVARIUS からもメンバーが参加している超豪華なデビュー作となったが、むしろ出来過ぎている。完成されているけど、何かひとつだけカギをかけ忘れている感もある。これでもかというくらいテクを見せつけられても、まったく嫌味がなく爽快感が持続する DRAGONFORCE との違いは何だろう…とつい考えてしまう。ただ、とんでもないポテンシャルを秘めていることは間違いない。恐ろしい新人バンドだ。
2010.08.04 リリース
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paramore『BRAND NEW EYES』

twi22004年テネシー州で結成されたメロコアバンドの3rd.。2005年にデビューアルバムをリリース以降(当時vo.のヘイリーは16歳だった)バンドは、大きく注目を浴び、日本でも高い評価を得てきた。ポップなガールズバンドではなく、実力とポテンシャルのあるバンドだということは、エネルギッシュでクオリティーの高いライヴパフォーマンスを一度見ればすぐにわかる。でも、ここまで大きく化けるとは正直思っていなかった。もはやポップでキャッチーなメロコアバンドでは片づけられない。ゴシックでモダンへヴィネスの領域へと足を踏み入れ、そのタイトで重厚なへヴィーエッジの感触は、バンドの新しいスタイルとしてきちんと根づいている。なおかつ素朴なパンクや古いカントリーロックのようなテイストも漂わせている。バンドの生み出すサウンドの密度の濃さと幅の広さはもちろん素晴らしいが、ヘイリーの情感豊かなボーカルは秀逸。そう、パラモアに必要だったのは、パラモアという絶対的な座標上の独自の位置だったのだ。プロデュースは、GREEN DAY、MY CHEMICAL ROMANCE を手がけたロブ・カヴァロ。大飛躍はまだまだ続きそう。
2009.10.21 リリース
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PHILMONT『ATTENTION』

twi22005年、ノース・キャロライナ州、シャーロットで結成されたメロコアバンドのデビューアルバム。BLINK-182、NEW FOUND GLORY、GREEN DAY らに影響を受けたと公言するだけあって、キャッチーでスピード感のある覚えやすいメロディアス・ナンバーがずらりと並ぶ。伸びやかなハイトーンボーカルに美しいコーラス、絶妙なタイミングでスイッチが切り替わるストップ&ゴーの技が光る。存在感のあるスネアの深い音にハイハットの誘惑的な快感リズムがたまらない。爽快なカウンターメロディーのギターをドーンと前に出したTDも◎。軽やかにスキップするキーボードの旋律も心地いい。そしてお決まりのアコースティックなバラード曲がバシッと決まっている。もちろん極上の抒情メロ。どの曲もただ美しいメロディーだけでは満足しないパンクキッズたちの心をがっちりキャッチするだけの芸術的センスと底力がある。だからと言って変則的な凝った手法はなく、むしろパンクの王道ソングばかりでストレート過ぎるほど。なのに、耳の肥えたファンの気持を惹きつける光がある。そう、光のかたまりなのだ。そうでなくちゃ、パンクシーンの未来は照らせない!
2009.06.24 リリース
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PARACHUTE『LOSING SLEEP』

twi2ヴァージニア出身の強烈にメロディアスなピアノ・エモ・バンドのデビューアルバム。高校生の時に結成した SPARKY'S FLAW が前身バンドで、ヴァージニア大学に進学し PARACHUTE へと発展。2008年には東海岸を中心に200本以上のライヴをこなした。とにかく琴線に触れる極上の旋律で、転調を繰り返しながら、ひたすらエモいサウンドを濃厚に生み出している。悲しみと強さをため込んだ魅力のVo.、心を豊かにする絶妙なピアノ、やわらかいエッジで激しさも表現したドラミング、輪郭のくっきりしたベースライン。どこをどう切り取っても快感と至福がそこにある。そう、心を浄化させて幸せな気分になれる軽快なメロディー。ドライでシンプルな音色なのに、表情豊かでどこかノスタルジックな香りがする。ずっと昔に本能が憶えている音。天才的なメロディーセンスにただただ酔いしれるだけ。
2009.05.12 リリース
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PHONE TRIO『BRICKWALL』

twi2ブラジルのメロコア3ピースバンド。日本盤は、オリジナルEPの7曲に4曲をボーナストラックとして収録されている。NO USE FOR A NAME の軽快なスピードに乗ったメロディアスで愁いのあるパンクを彷彿させる。それでいて、オーセンティックなノスタルジック・サウンドの初期衝動を感じずにはいられない。最初から最後まですべてサビメロかと思うほどのカタルシス。飾り気のないむき出しのサウンドの粒子が全身をストレートに貫く。このシャワーに酔いしれないパンクキッズはいないはず。スーパーテクニックで良質のベースがグワングワンとうなりをあげ、ザックザクのノイジーなギター、それに手数の多いドラムは、まったくすきがない完璧な3つの柱からなる要塞。良い意味で力の抜けたボーカルは、まるでポップロックを歌うようなトーンでブレスを入れずに縦横無尽に駆けまわる。それはパンカビリーなM-10などでより強い光を放つ。ピアノやアコギの使い方も絶妙で渋~い味を出す。ローファイで素朴な情熱がフィルターなしで伝わってくるデビューアルバム。
2008.06.06 リリース
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PINBOYS『TEENAGE WASTELAND』

twi2デンマーク出身の5人組メロコアバンド.。男女ツインボーカルというパンクにしては珍しいスタイル。そう書くとポップパンクをイメージしてしまうが、なんのなんのハードエッジなメタリック色の強いメロディック・ハードコア。常にベースがキリリと引きしまった音を炸裂させて気持ちいい。砂利道を全速でガガガっとパワフルに走っていたかと思うと、急にスピードを落としてみたりとメリハリをうまくつけている。また、ギターを左右のチャンネルにきっちり振ってくる。しかも、カウンターメロディーのリードギターが、フレーズによって右から聞こえてきたり左から聞こえてきたりと凝っている。FALL OUT BOY、DONOTS、DIE HAPPY、4LYN、5BUGS、ONE FINE DAY らと共演し、ヨーロッパツアーやアメリカツアーを何度も経験し、フェスにも多数参加。影響を受けたバンドは、FALL OUT BOY、STORY OF THE YEAR、SUGARCULT から、IRON MAIDEN、METALLICA といったバンドまで名前があがる。メタリックとパンクの融合は、そんな影響からか。とにかく一日中ヘビローしていてもまったく飽きない極上の3rd.。
2007.07.04 リリース
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PLAIN WHITE T'S『every second counts』

twi2シカゴ出身の5人組のエモパンク・バンドの3rd.。これがメジャーデビュー作となる。Simple Plan とアメリカツアーをまわった経験ほ持ち、Jimmy Eat World、Less Than Jake 等を手がけてきた Loren Israel が、マネージャー兼エグゼクティブ・プロデュースを担当している。ストレートなメロディアス・パンクと、ややせつないメロディーが印象的なサウンド。ときどき、オーセンティックな古いロックフレーズもエッセンスされている。リリックは青春パンク路線だが、能天気なハイスクールのラヴソングのお気楽さがテーマでなく、青春ゆえの苦悩も素直にコトバにしている点が興味深い。スピードに頼らずメリハリを効かせ、そこにエモを埋め込む手法。ギターのキラキラ感やサイドメロの美しさ、キャッチーなサビは、まさに王道。この手のジャンルが風化せず不滅なのは、彼らのような実力者の存在に他ならない。
2007.03.07 リリース
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PUNCHLINE『37 EVERYWHERE』

twi2ペンシルバニア州出身のメロコア・バンドの2nd.。2005年3月に イスラエルのバンド USELESS ID のジャパン・ツアーに ポルトガル出身の FONZIE とともに来日した時に PUNCHLINE を見てからもう1年も経ったのかと思い返してみる。あの時のライヴに比べたら今作のアルバムは、驚くほど急成長。単にメロコアなナンバーを並べただけじゃなく、まるで季節の移り変わりをグラデーションで表現したような多彩な楽曲が詰まっている。極太でクリアなベースラインと重心の低いザクザクのギターサウンドは圧巻。ミディアムでメロウな曲ひとつとっても、多くの複雑なフレーズをうまくひとつの流れに乗せストーリーを作っている。実は2005年秋にツアーを共に回っていた親友の BAYSIDE のドラマーが移動中に事故死している。その BAYSIDE を手がけた Goodman & Kenny Gioia 兄弟をプロデューサーに迎え、BAYSIDE のメンバー Anthony がゲストボーカルとしてこのアルバムに参加している。ちなみに「37」は、やたらメンバーの人生につきまとう不思議な数字とか。
2006.04.12 リリース
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paramore『all we know is falling』

twi22004年テネシー州で結成。16歳の天才シンガーソングライター Hayley のパンチのあるボーカルが魅力的。倍音が強く、哀愁も含んだ声質でパンクをゴツゴツの展開。13歳でバンドを組むまで、すでにCMコンテストなどで作曲・ライヴ活動をしていたという。アイドル扱いされがちなシーンの中で、実力派という形容を自身の手でもぎとったと言える。エモいカウンターメロディーに、やんちゃなギターがからみついて、甘くよどんだ世の中に中指立ててにらみをきかせる。パワーパンクのスピードチューンからミディアムテンポの曲まで、引き出しは多彩。特にテンポを落とした曲で、すこしためぎみに歌う Hayley のねっとり感は、心への吸着力がさらに増す。
2005.12.09 リリース
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PARKER THEORY『CAN ANYBODY HEAR ME』

2twi2000年、カリフォルニア州サンディエゴで結成された4人組エモコア・バンド。彼らのせつなさは、深く凍りついた悲しみを抱いたまま、寡黙に走りつづける真摯な姿勢であふれている。もがき苦しむこともなく、血を流すことも、さけぶこともない。ただひたすら、自分がかかえた悲哀とせつなさとともに人生を進もうとしている。その強靭な精神力はどこからくるのか。きっとだれにも見せないところで、血ヘドを吐いているにちがいない。そして今日もなんでもない顔をしてスピードをゆるめずに幾何学的なビル群が羅列する殺風景な道をひた走る。パラパラマンガのように次々とコーラスを重ねて、もの悲しいオブリガードを絶え間なく放射しつつ、ダンディーな哀愁すらただよわせる。まさにエモ演出の天才!
2005.04.06 リリース
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Power Quest『MAGIC NEVER DIES』

twi2DRAGONFORCE、ARTHEMIS の主要メンバーらが在籍するイギリスとイタリアの混合メロスピ・バンド。2003年には1st.と2nd.が1年間に連続リリースされた。そういう意味でもこの3rd.が1年半の時間でどのように熟成したか見極めたくなるのがファン心理。良い意味で気負わず重厚になりすぎず、アニメソングとしても通用しそうな初心者大歓迎サウンドのじゅうたんを敷きつめ、そこにマニア垂涎の DRAGONFORCE ばり機関銃ダダダダダ系ギターと、SONATA ARCTICA 的なキラキラのメロ・キーボード(DRAGONFORCE の前身バンド DRAGONHEART 時代にキーボード参加していた Steve Williams)のアンサンブルを走らせるという憎らしい演出。この高速キラドコ・サウンドに、ためぎみのややネバっこいボーカルが説得力120%。特にM-11は秀逸!「北斗の拳」バリのジャケは、SONATA ARCTICA などのジャケ・イラストを手がけるヤンネ・ピトカネン。
2005.05.21 リリース
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punchline『action』

twi22005年3月、USELESS ID のオープニングアクトとして FONZIE とともに来日した punchline。この時のステージの印象は正直あまりインパクトがなかった。ベースがうまいことと、ドラムが時折タイミングがズレてしまうことと、ギターが色的に浮いていることぐらいしか記憶にない。今こうしてアルバムを聴いてみると、こんなにも味のあるせつない上品なパンクだったかと感心する。そう、実は音源をまったく聴かずに、先にライヴを観てしまったのだ。歯をくいしばって必死に汗かきながら全力疾走するのではなく、涼しい顔をして風のように駆け抜けるイメージ。コーラス・トラックを左右に振り分けて、ドラムのひとつひとつの音をクリアに粒をそろえてかなり前に出したDT。凝ったエフェクターでウエットに仕上げている。スローなナンバーからスピード・パンクまで振れ幅も大きく、緩急のつけ方も絶妙。
2004.02.24 リリース
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Pensive『something about the stars』

REHASHERサンディエゴ出身のエモ系バンド。どのレーベルとも契約していないバリバリのインディーズ。カラリと澄み渡った西海岸の空のような爽快パンク。ギターのざらついた歪みも、美コーラスも、一点の汚れもない音・音・音。ストリングスの導入や、アコギ一本のぞくぞくする曲などに実力を感じる。ドラムのスネアの音が素晴らしい!ギターのリズムの刻み方はほんとに憎い。そこに倍音のきついボーカルが乗ってくるわけだから、文句のつけようがない。唯一欠点があるとすれば、もっとラウドな音でRECして欲しいことぐらい。音の広がりにやや不満を感じるが、インディーなら仕方のないことか。
2004.04.24 リリース
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POWER QUEST『NEVERWORLD』

ZenoDRAGONFORCE を脱退したキーボーディストや ARTHEMIS のメンバーなどからなるイギリスのメロディック・スピード・メタル。これが彼らの2nd.で日本デビュー作。レッドゾーンをキープしたままスピードにのせてメロディーを走らせ、時にはパワーバラードで様式美を誇示し、クリスタル・テイストのクールでドラマティックなサウンドを放射する。この手のファンは、女性ボーカルが加わることを嫌悪する傾向にあるが、なぜか許せてしまう説得力がある。ただ、音に奥行きがなく、どこか薄っぺらな印象を受ける。低音の広がりや中音域の厚みが欠けているため、北欧メタル独特の壮大な空間が実現できていないのが残念。それを差し引いたとしても、この劇メロは、絶賛に値する。
2003.10.22 リリース
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ギャラリー
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • courage my love『Becoming』『For Now』
  • AMBERIAN DAWN『Magic Forest』
  • VICTORIUS『DREAMCHASER』
  • STREAM OF PASSION『A WAR OF OUR OWN』
  • DERDIAN『HUMAN RESET』