2004年にドイツで結成されたメロディック・スピード・メタルバンドの3rd.。典型的な美メロで耳ざわりのいいキャッチーな楽曲。そこにジャーマン・メタル特有のゴツゴツしたワイルドな重みが加わっているため、ぎゅっと密度が増している。重低音サウンドは大満足の迫力だし、洗練されたギターワークにスピード感もあって、音の感触は快適。時折メランコリックに針を振りながら腰のあるボーカルでたたみかけてくる。特筆すべきは、まるでシンフォニック・エピックアルバムのような起伏に飛んだ曲展開だ。音色としてはシンフォニック要素などひとつもないのだが、こまめにシーンや温度を変えてくる手法は飽きさせない工夫と言える。もし彼らのサウンドに手の込んだ演出が一切なかったら実に退屈な曲になっていたはずだ。冷蔵庫の中にある残り物だけで作った料理が、調理方や味付けや彩りなどの演出効果で、とんでもなく美味しいものになった感じ。これなら毎日でも食べたくなる。
2014.10.22
amazon.co.jp
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